インタビュー

第6回 北大フロンティアプログラム第3期生 郭 一凡(カク・イチハン)さんへのインタビュー

Interview Vol.6

最初は日本語が苦手でしたが、 多くの人と話すうちに自信がつきました。

郭 一凡(カク・イチハン)さん
北海道大学大学院情報科学院 情報理工学専攻 修士2年

PROFILE

中国出身。中国の大学で電子通信工学を学び、卒業後半年ほどインターンシップで子どもたちにロボットについて教える仕事を経験。2018年10月から北海道大学大学院情報科学院へ進学し、人工知能、深層学習について研究

趣味・特技
水泳、旅行、情報収集
好きな食べもの
スープカレー、お寿司
北海道で好きな場所
世界自然遺産・知床
将来の夢
人と人をつなぐ仕事をしたい
就職活動
修士1年の夏休みにインターンシップに参加、3月に半導体メーカーに内定

「日本での留学について」

ー日本に興味をもったのはいつですか?
中国の実家周辺には日系企業が多く、家族や友人に日本語を話す人がいて、自分も大学で第二外国語に日本語を選択しました。大学生のとき、東京、名古屋、大阪を旅行し、さらに興味をもつようになりました。
ー北海道大学を選んだ理由は?
中国の大学で電子通信工学を勉強したあと、日本の大学院に進みたいと思い、理工系の大学をいろいろ調べて北大を見つけました。北大は世界的な実績があり、研究に打ち込める環境があると思います。また、まちの中心部に大学があり、便利な点も魅力的です。札幌は大都市ではなく、かといって田舎でもなく、都市の便利さと田舎の美しさの両方があって住みやすいですね。
ー北大ではどんな研究をしましたか?
人工知能の研究をしました。修士2年目のテーマは、深層学習による水族館の水の透明度の判定について。これまでの水族館では係員が水のきれいさを判断しますが、水槽に定点カメラを設置し、人工知能の深層学習によって自動的に識別が可能となります。修士1年目では、人工知能による虫歯の検出に携わりました。いずれも企業との共同研究で、幅広い経験ができたと思います。
ー留学生活で困ったことはありましたか?
最初は日本の生活に馴れず、日本語もまだ下手で、研究室の人と意思疎通するのに苦労しました。そのころは少し寂しかったです。でも、フロンティアプログラムに参加して友人が増え、日本語も上達したので解決しました。

「北大フロンティアプログラムについて」

ーフロンティアプログラムは、どのように知りましたか?
研究室の先生が募集のメールを転送してくれました。それで日本での就職に役立つことや、奨学金があることを知り、参加してみようと思いました。
ープログラムの中で、印象に残っている講義はありますか?
役に立ったのは、週1回のビジネス日本語です。日本語の基礎から応用を学ぶほか、日本のビジネスマナーなども勉強したので、就活にたいへん役立ちました。ここで教えてもらわなかったら、お辞儀の方法もわからなかったと思います。
フロンティアプログラムで身についたことは?
一番は日本語の実力です。プログラムに参加したころは、ほかの留学生と比べて日本語が下手で、みんなと同じレベルになりたい、と思いました。でも「がんばって勉強した」というよりは、友人と日本語で会話するうち自然に上達したという感じで、楽しかったです。

就職活動について

ー留学当初から日本で就職したいと思っていましたか?
最初にプログラムに参加するときは、それほど思っていませんでした。日本に住みたいとは思いましたが、自分には難しいだろうと思ったのです。それから日本語が上達し、自信が出てくるにつれて、日本で働きたいと思うようになりました。
ー就職活動はどのように進めましたか?
まずはいろいろな業界や企業について調べました。仕事内容はもちろんですが、自分と雰囲気が合うかどうか、外国人の採用が多いか等、さまざまな情報を収集してエントリーしました。もともと情報収集するのが好きなので、そういう作業は苦になりません。自分なりに見やすくグラフ化し、ほかの友人とも共有して喜ばれました。
エントリーシートの書き方や面接は、フロンティアプログラムで何度も練習して本番に望んだので、上手くできたと思います。それと、最初は少し心配でしたが、本番を経験するうちに馴れてきて、だんだん上達していきました。
ーインターンシップは何社くらい参加しましたか?
合計11社に行きました。そのうち長期は2社、電機メーカーの研究所と建設機械メーカーです。インターンシップに参加すると、その企業の雰囲気がわかりますし、社員のかたと直接話ができるので、たとえその職業につかなくても良い勉強になると思います。
ー就活成功のポイントは何でしょうか?
自分に合う企業を選ぶことが重要だと思うので、それには情報収集がポイントになると思います。就活で不採用が続くと落ち込んでしまいますが、それは選ぶ企業を間違っただけです。情報収集にはインターネットも有効ですが、いろいろな人とコミュニケーションをとることも大切。いろいろな企業の人の話を聞いたり、大学の先生やOB、OGのアドバイスを聞いたりすると良いと思います。

最後に

ー今後の目標を教えてください。
就職先は神奈川県ですが、札幌にいるうちに、情報関連の資格と車の運転免許を取りたいと思っています。情報の資格は、将来役立つかもしれないので、車の免許はいますぐ旅行に行きたいから。
長期的な目標は、コミュニケーション能力や人間性を高めてキャリアを積み、人と人をつなげるような仕事がしたいと思います。今後は人工知能が発達し、いろいろな職種で人が不要になると思いますが、それでもなくならない分野で活躍したいです。
ー北大フロンティアプログラムの後輩へ、アドバイスをお願いします。
日本語の勉強をがんばってください。日本で就職するなら、日本語がわからないと夢を実現できません。それから、自己分析をきちんとすると、就活にも友だちづくりにも役立つと思います。失敗してもあまり落ち込まないで、前向きに考えましょう!
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