インタビュー

第5回 北大フロンティアプログラム第3期生 張 子揚(チョウ・コヨウ)さんへのインタビュー

Interview Vol.5

就活では好きな仕事を見つけることが大切。 仲間と一緒に、日本で働く夢を叶えました。

張 子揚(チョウ・コヨウ)さん
北海道大学大学院農学院 微生物生理学研究室 修士2年

PROFILE

中国出身。中国の大学を卒業後、2018年10月より北海道大学大学院農学院へ進学。それまで研究してきた分野をより深く学ぶため、微生物生理学研究室に所属

趣味・特技
旅にでかけて、きれいな風景の写真を撮ること
好きな食べもの
すきやき
北海道で好きな場所
広くて美しい北大
将来の夢
日本と中国の技術交流などの架け橋になりたいです
就職活動
修士1年の1月から開始し、修士2年の6月ころIT企業に内定

「日本での留学について」

ー日本に留学したきっかけは?
子どものころから日本語に興味があり、自分で教科書を買って勉強していました。きっかけは日本のアニメで、小学生のころ一番流行っていたのは「ドラえもん」です。大学生になって、機会があれば日本の大学で学びたいと本格的に考えるようになり、いろいろな大学を調べました。
ー北海道大学を選んだ理由は?
北海道大学の農学院がとても有名で、しかも、それまで大学で研究していたテーマと、いま所属している微生物生理学研究室の内容に似ている部分があって、ぜひ行きたいと思いました。それから、東京より北海道に憧れがありました。映画もたくさん観ましたが、北海道は景色がすばらしく、一度生活してみたかったのも大きな理由です。
ー北大ではどんな研究をしましたか?
中国では乳酸菌の遺伝子について研究し、北大農学院に来てからは腸内細菌が主なテーマです。人の健康に大きく関わる胆汁酸(たんじゅうさん)をつくる腸内細菌について研究しました。実験室で菌を培養し、データをとって結果を蓄積したり分析したり、そういったことに励みました。
ー2年間の留学生活をふり返って、良かったことは?
研究室では、多くの人が協力して作業を進める大切さや、研究室の管理・運営の方法がとても勉強になりました。また、自分の担当分野に責任をもって取り組む姿勢を学ぶことができました。これから日本で働くときにも、そういう姿勢を大事にしたいと思います。
それから、思い出に残っているのは友人とでかけた旅行です。釧路や洞爺湖、知床などに行って写真もたくさん撮りました。

北大フロンティアプログラムについて

ーフロンティアプログラムは、どのように知りましたか?
知り合いの先輩が教えてくれて、やってみようと思い面接に参加しました。
ープログラムの中で、印象に残っている授業はありますか?
ビジネス日本語です。「日本語」といっても内容は幅広く、日本の業界分析や就職の面接などの練習もしました。チームワークが必要な授業もあって、同期はみんな仲良しなので上手くできたと思います。
ー同期のみなさんは、中国のかたが多いのですか?
私たちの同期12名は全員中国です。専攻はバラバラで農学院は私だけでしたが、すごく仲の良い友だちができました。全員1月〜3月に就職活動を始め、夏までには内定企業が決まったと思います。お互いに就職情報をシェアして、助け合いながら楽しく過ごしました。
ー大学院との両立で苦労したことはありますか?
実験やアルバイトが重なるときは少し忙しいと感じましたが、実験もフロンティアプログラムの授業も、とても楽しかったので、忙しくても充実した時間だったと思います。

就職活動について

ー留学当初から日本で就職したいと思っていましたか?
留学したときは、まだそれほど強い思いはありませんでした。フロンティアプログラムに参加してから、日本の企業について詳しく知るようになり、働いてみたいという意欲が強くなりました。こちらで友だちがたくさんできると、ますます日本で暮らしたいと思いました。
ー就職活動はどのように進めましたか?
今年は新型コロナの影響により、基本的にオンラインによる就活で、面接もほとんど画面越しでした。オンライン面接は、自分にとってはやりやすかったと思います。あまり緊張しないで話すことができましたし、交通費も節約できました。

最初は北海道で働きたいと思ったのですが、新型コロナの影響もあってなかなか上手くいきませんでした。企業側の経営が厳しく、選べる仕事は例年よりかなり少なかったと思います。そうしたなか、エントリーシートは全部で60社くらいに出しました。最初は、自分の専攻である生物系や食品系の企業、そのあとは他の分野、たとえば半導体やIT系の企業にも広げて、内定が決まったのはIT企業です。

ITはこれまで経験のない分野ですが、フロンティアプログラムの業界分析などで興味を持ちました。現在は札幌のIT企業へ週3回、インターンシップに行っています。プログラミングの経験が全くないので、入社前に基礎知識を身につけておきたいと勉強しているところです。

ー就活で大事なことは何だと思いますか?
自分が好きな仕事、好きな企業を見つけることだと思います。それと、あきらめない気持ち。今後もたいへんな時期が続くと思いますが、モチベーションを保ちながら、あきらめずにコツコツがんばることが大事だと思います。
ーモチベーションはどうやって保ちましたか?
一緒に就活をする友だちがいると良いと思います。そういった意味でも、フロンティアプログラムは友だちがたくさんでき、助け合うことができました。誰かが落ち込んだときも応援したり、みんなで集まって食事をしたりしましたよ。

最後に

ー今後の目標を教えてください。
9月に大学院を卒業し、来春4月に東京で就職するまでは札幌にいるので、旅行とアルバイト、インターンシップ、プログラミングの勉強、資格取得とやりたいことがたくさんあります。車の免許と簿記の資格にもチャレンジしたいです。
入社後の目標は、ちゃんと仕事ができるようになること。もっと大きな目標は、日本でプログラミングの経験を積み重ね、日本と中国の技術交流に役立つことができればと思っています。そして、将来はやっぱり大好きな北海道に住みたいです。
ー北大フロンティアプログラムの後輩へ、アドバイスをお願いします。
日本での就職を考えている人は、ぜひ応募してみてください。日本の就職環境や企業文化への理解を深めることができます。そして、一緒にがんばる仲間をつくることができますよ。
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