インタビュー
任 雅欣(ニン・ガキン)さん
北海道大学大学院工学院 空間性能システム専攻 修士2年
PROFILE
中国出身。中国の大学で都市計画を学び、卒業後、北海道大学大学院工学院に研究生として留学し、半年後に同院へ進学。空間性能システム専攻の建築環境学研究室に所属
- 趣味・特技
- :水泳、卓球、ときどきピアノ、旅行も大好き
- 好きな食べもの
- :寿司、うどん、刺身
- 将来の夢
- :ずっと成長し続けていたいです
- 就職活動
- :修士1年の11月から開始し、翌年3月、設備関係の企業に内定
「日本での留学について」
- ー日本に留学したきっかけは?
- 大学生のころ初めて日本へ旅行し、日本の雰囲気が好きになりました。一番いいなと感じたのは、まちの風景が規律的で美しいところ。建築の勉強をしていたので、建物や街並みに魅力を感じました。それと、会った人がみんな親切で、いつか日本に住みたいと思いました。
- ー北海道大学に来たのはどうしてですか?
- 建築のなかで特に「設備」について勉強したいと思い、北大に設備方面で優秀な教授がいることがわかり、その研究室に入りたいと思ったからです。まず工学院に研究生の申請をして、半年間で入学試験の準備をし、春から正式に入学しました。また、人の多い場所があまり好きではないので、静かな北海道がいいなと思って。
- ー今はどんな研究をしていますか?
- データセンターの省エネ設備に関する研究をしています。修士論文のテーマは、「外気冷房型のデータセンターの運用実態の把握と効率向上に関する研究」。北海道の冷涼な気候を活用し、外気を取り込む空調システムの開発を民間企業と共同研究しています。難しい課題も多いですが、一つずつ解決していくのはすごく楽しいです。企業の担当者さんも丁寧に対応してくださり、いつも感謝しています。
- ー留学生活で楽しいことは?
- 工学院に卓球室があって、同じ研究室の友だちとよく卓球をしています。研究室以外でも、授業のグループや、ほかの専攻の留学生の友だち、フロンティアプログラムの友だち、といろいろな場所でたくさんの仲間ができました。札幌で運転免許を取ったので、友だちとレンタカーを借りて、定山渓、支笏湖、積丹、阿寒、北見、知床などへ旅行したことが一番の思い出です。
北大フロンティアプログラムについて
- ー北大フロンティアプログラムに参加したきっかけは?
- 日本での就職を希望していましたが、どんな準備をすればいいかわからず困っていたところ、学校からのメールでこのプログラムを知りました。専門的な日本語指導や、就職指導の先生がいるので、これなら安心!と思って応募しました。
- ーここでどんなことを学びましたか?
- ビジネス日本語の授業で、敬語の使い方や職場での言葉づかい、マナーや習慣を身につけることができました。授業は毎週1回3時間、毎回テーマを決めて具体的に説明してくれるので、かなり自信がつきました。
それから、就職活動のやり方が日本と中国では大きく違い、応募方法から履歴書の作成、筆記試験、自己分析、面接などたくさん準備が必要ですが、すべて教えてもらいました。 - ー授業のほかに、参加して良かったことはありますか?
- ここで友だちを見つけたことです。同じ業界を目指す友だちもいて、いろいろ情報交換ができました。一緒に説明会に行ったり、業界分析をしたり、同じ目標をもつ仲間がいるとすごく心強いです。
就職活動について
- ー日本で就職したいと思った理由は?
- 日本に旅行したとき、ここで生活したいと思ったことが一つ、それから、日本企業の研修制度がすばらしいと思ったからです。入社当初は知識が少なくても、研修制度がしっかりあるので、そこで勉強ができます。そういう仕組みを利用して、現場での経験も積みながら、早く成長したいと思っています。
- ー就職活動はどのように進めましたか?
- 内定をもらった企業のことは、工学院で行われた「産業技術フォーラム」で知りました。CEEDを通して、その企業のインターンシップに参加し、マレーシアで1ヵ月間、工場やオフィスを体験し、社員の人たちから直接話を聞くこともできて、「ここで働きたい!」と思いました。その企業を含め、エントリーシートは建設業界に絞って8社に提出し、面接まで進んだのは5社です。
- ー就活で苦労したことは?
- 一番苦労したのは、小論文と面接。小論文は、短い時間でテーマに沿った文章を書くことが難しかったです。でも、フロンティアプログラムで小論文の書き方も勉強していたので、とても役立ちました。面接も、このプログラムで何度も模擬面接をして本番にのぞみました。「大きな声で話す」、「自信を持って話す」、「相手の目を見る」などのアドバイスをもらい、実践できたと思います。
- ー就活を成功させるために、大切なことは?
- 就活で大切なのは「根性」だと思います。日本の就活は、中国と比べて時間が長くかかり、準備することが多くあります。それらを面倒くさいと思わず、「自分に合う会社を探している」と考えて、一つずつ確実に乗り越えることです。また、就活中は学校の研究に集中できず苦労しますが、それに負けない根性が大切だと思います。
それから、私は修士1年の夏から業界の情報を集めるなど、早い段階で準備した点も良かったと思います。そういう方法をこのプログラムが教えてくれたので、とても助かりました。
最後に
- ー今後の目標を教えてください。
- 残りの学校生活では、研究結果をしっかり出すよう全力を尽くしたいです。それから、今は少し時間があるので、もっと旅行をしたいですね。卒業旅行はスペインを計画中です。
就職してからは、まずは仕事をきちんと覚えて効率的に働きたいです。若いときは経験が重要だと思うので、何にでも挑戦して成長あるのみ!です。 - ー北大フロンティアプログラムの後輩へ、アドバイスをお願いします。
- フロンティアプログラムの授業は、本当に役立つことばかりです。少し時間はかかりますが、重要な情報が得られますし、就活のやり方が全部わかります。サポートもたくさんあります。この機会をぜひ活用しましょう!