インタビュー

第2回 フロンティアプログラム第1期生オウエツさんへのインタビュー

Interview Vol.2

ここで会った仲間と励まし合い、就活を進める中で、 自分の道が見えてきました。

王悦(オウ・エツ)さん
北海道大学公共政策大学院 国際政策コース 修士2年

PROFILE

中国出身
中国の西北大学、外国語学部、日本語学科在学中に同志社大学に1年間交換留学し、西北大学卒業後、北海道
大学公共政策大学院に研究生として入り、半年後に進学

  • 趣味: 料理(パスタが得意です)
  • 好きな食べもの: スープカレー(よく行くお店はhirihiri)
  • 好きな有名人: 坂口健太郎
  • 将来の夢: 世界を舞台にバリバリ働くビジネスウーマン
  • 就職活動: 2017年8月から開始し、電機メーカー総合職に内定

「日本での留学について」

ー日本に来たのはどうしてですか?
大学2年生のとき、同志社大学へ交換留学で来たのが最初で、毎日楽しくあっという間に1年が過ぎてしまい、「絶対にまた来たい」と思いました。同志社で学んだのは日本語と日本文化が中心でしたが、次はより専門的な知識を身につけたいと考え、北海道大学公共政策大学院を受験しました。北海道を選んだのは、以前旅行で訪れていいところだと思っていたから。私の故郷の吉林省と季候が少し似ていて、夏も過ごしやすくて大好きです。
ー現在はどんな研究をしていますか?
北海道大学公共政策大学院では1年目に政策学や経済学、統計分析など基礎分野を学び、2年目は実践科目や事例研究などのほか、各自テーマに基づいたリサーチペーパーを作成します。これが卒業論文にあたります。私は現在テーマを検討中で、入学したときはEUについて研究しようと考えていましたが、今回の日本の就活経験を活かし、「外国人留学生が日本で就職する際の現状と課題」についてまとめたいと思っています。
ー学生生活は楽しいですか? アルバイトなどはしていますか?
はい! 毎日やりたいことがたくさんあり、時間が足りないくらい充実して楽しいです。入社前までにできるだけ英語力をつけたいので英語の勉強に力を入れていて、それから体力をつけて美しくなるため筋トレやヨガも続けています。アルバイトでは百貨店の化粧品販売をしていて、外国人観光客の対応に忙しいですが、ファッションや美容にも興味があるので勉強になります。もちろん、大学院修了に向けての勉強が最優先です。

「北大フロンティアプログラムについて」

ー北大フロンティアプログラムに参加したきっかけは?
学校の掲示板を見て知り、そのときは日本で働くか決めていませんでしたが、「とりあえずやってみよう」と思って応募しました。私たちがフロンティアプログラム1期生なので、まだよく分からなかったこともありますが、将来の可能性を広げるためにできるだけいろいろなことに挑戦してみたいと思いました。
ー北大フロンティアプログラムでは、どんなことを学びましたか?
「ビジネス日本語」という授業があって、これはビジネス日本語だけでなく、ビジネスのマナーや日本の就活全体の流れを把握することができます。それから、面接の練習をする中で、だんだん日本企業のイメージがつかめるようになりました。自己分析や企業分析の授業も就活にとても役立ちます。フロンティアプログラムに参加していない留学生と比較すると、就活について入手できる情報が多く、準備も早くできたと思います。
ー特に印象に残っている講義はありますか?
一般企業の方が集中講義に講師として来て、ビジネスの現場の話を聞けたことが印象に残っています。社内のマネジメントやコミュニケーション、法律や社会とのつながりなど、大学院の勉強とは違って視野が広がりました。また、ちょうどそのとき簿記の試験勉強をしていたのですが、経理や財務についての講義もすごく興味深かったです。このフロンティアプログラムで学ぶ中で、いろいろな企業の考え方や価値観に触れ、働く現場のイメージがつくようになってきて、「日本で働きたい」という気持ちが強くなり、日本での就職活動を決心しました。
ーこのプログラムに参加して、一番良かったと思うことは?
同じ目標を持って頑張る仲間と出会えたことが、一番良かったです。フロンティアプログラムの同級生は大学院とは違う良さがあり、お互いに励まし合い最後まで頑張ることができました。それから、先生やスタッフの方々が面接などについてたくさんアドバイスをくださり、応援してくれたこともとても感謝しています。

就職活動について

ー就職活動は、どのように進めましたか?
2017年8月頃からSPI受検の準備を始め、10月頃からフロンティアプログラムの授業がスタートし、2018年2月はインターンシップに2社参加しました。同時にエントリーシートの準備を始め、プレエントリーは70社、エントリーシート40社ほど提出し、周りの学生よりもかなり多く頑張ったと思います。
ー就職活動で苦労したことは?
面接の際、自分の考えている内容をうまく説明できないことがあり、相手にきちんと伝える方法を考えて何度も練習しました。この就活期間中で、日本語がずいぶん上達したと思います。それから、中国の就活ではあまり自己分析をしないと思うので、最初は「自己分析って何?」という疑問からのスタートでした。
ー内定獲得のポイントは?
その企業のセミナーに参加したとき、グループであるテーマについてディスカッションして一つの結論を出すという課題があり、社員が周りで見ていたのですが、自分が思っていることを全部うまく言えました。その後すぐ企業から「面接に来ませんか?」と電話をもらったので、そのときの発言やチームワークを評価してくれたのかなと思います。
就活で大事なのは、「あきらめないこと」だと思います。私はエントリーシートをたくさん出し、書類選考でたくさん落ちました。面接は15社受け、失敗を繰り返して辛い時期もありました。自分を否定されている気持ちにもなりましたが、それでもあきらめず、何が原因で失敗したのか考え、次に向けて準備しました。それが結果につながったと思います。

最後に

ー今後の目標を教えてください。
外国人だからと特別扱いされることなく、何でも任される信頼される人になりたいです。自分の持っている能力で勝負できるように頑張りたい。それから、周囲の人に感謝の気持ちを忘れず、素敵な社会人になりたいです。
ー北大フロンティアプログラムの後輩へ、アドバイスをお願いします。
私もそうでしたが、1年生の早い時期から「日本で就職しよう」としっかり決めている人は少ないと思います。また、大学院の勉強と両立するのがたいへん、ということはありません。ですから、まずは参加してみたら良いと思います。ここで出会う同級生とは本当にいろいろな話ができますし、仲良くなれます。視野が広がり、役立つことがたくさんありますよ。
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