インタビュー

第1回 フロンティアプログラム第1期生ジャンジンカイさんへのインタビュー

Interview Vol.1

子どものころから憧れていた日本で学び世界で活躍できる自動車開発エンジニアに

張 晋愷(ジャン・ジンカイ)さん
北海道科学大学大学院 工学研究科機械工学専攻 修士2年

PROFILE

中国出身シンガポールのリパブリック・ポリテクニックを卒業後、北海道大学大学院工学院で研究生として学び、さらに専門分野を追求するため北海道科学大学大学院へ進学

  • 趣味: ドライブ(北海道はドライブに最高の場所です!)
  • 好きな食べもの: 焼肉、ラーメン(最近のお気に入りは、つけ麺)
  • 好きな有名人: 北野武監督
  • 好きなマンガ: 『頭文字D』
  • 将来の夢: 国際的に活躍するエンジニア
  • 就職活動: 2017年6月から開始し、自動車部品メーカーに内定

「日本での留学について」

ー日本に来たのはどうしてですか?
中学2年生のときに初めて旅行で訪れ、街がきれいでとても便利なことに驚きました。そのとき「いつか日本に住みたい」と思ったのがきっかけです。その後、親の転勤でシンガポールに移住して大学まで卒業しましたが、「日本に住みたい、日本で就職したい」という思いが強くなり、当時年上のいとこが北海道大学に留学していたので、いろいろ相談して同じ北大の研究生になりました。
昔からずっと自動車が大好きで、自動車の多くは日本製ですし、将来は自動車関連のエンジニアになりたいと思っていました。アジアでエンジニアの道に進むなら、最先端の日本に行くべきと思ったのも留学を決めた大きな理由です。
ー日本ではどのように勉強を進めましたか?
まず北海道大学で3年間、工学部人間機械システムデザイン研究室に入り、日本語の勉強と機械工学の基礎的な知識を学びました。シンガポールで電子工学を勉強していたので、その知識も役に立ちました。それからさらに自動車に関連した研究をしたいと思い、北大の先生とも相談し、内容が一番合っている北海道科学大学大学院の工学科を受験しました。ロボット・ダイナミクス研究室の竹澤教授の研究に興味があり、ここで学びたいと思ったのです。
研究室の竹澤聡教授(写真右)と論文について相談する張さん
実験のため校内に本物のバスが設置され、ここで詳細なデータを取る
ー現在どんな研究をしていますか?
今はバスなど大型自動車内部で使う「掃除ロボット」の研究をしています。現在使われている掃除ロボットは、掃除経路に無駄が多く効率が良くない点が課題ですが、AI技術を活用してその改善を目指しています。これは実際にバスの管理を行っている道内企業から依頼された案件で、ロボットが短時間で複雑な車内環境を把握できるようシステムの改良を重ねているところです。今年大阪で行われた日本機械学会では、「バス車内環境に関するQ-Learningを用いた自立走行ロボットの経路計画」というテーマで発表もしてきました。
ー学生生活は楽しいですか? 特に思い出に残っていることを教えてください。
大学院の仲間は12人と少ないこともあって仲が良く、研究室で一緒にご飯を作って食べたり楽しく賑やかに過ごしています。その中で留学生は私一人ですが困ることはありません。一番印象に残っているのは、北海道大学フォーミュラチームに入って静岡の大会に出場したことで、大会も飲み会も全部良い思い出です。

北大フロンティアプログラムについて

ー北大フロンティアプログラムでは、どんなことを学びましたか?
これまでは工学の勉強ばかりでしたが、経済や法律など仕事をする上で重要な分野の知識を得ることができました。企業で活躍しているかたの講義もあり、組織のリーダーの視点がわかり興味深い内容でした。また、社会人としてのマナーやビジネス日本語、特に敬語の使い方が勉強になりました。中国語と英語には敬語がないので慣れるのがたいへんでしたが、電話対応など細かいシチュエーションでの練習もできて良かったです。
ー特に印象に残っている講義はありますか?
日立製作所の管理職のかたが来て1日中びっしり様々な講義をしてくれたのですが、その中で「これからは英語、中国語、日本語の3カ国語ができる人材が求められる」という話をされ、自分が頑張って目指していることが正しかったと認められたようで、うれしく自信につながりました。
ープログラムに参加して良かったこと、役立ったことは?
同期の仲間に会えたことが一番良かったと思います。みんな同じ目標を持って頑張っているので、毎週会うたびに応援し合い刺激を受けました。大学院の研究室とは違う意味で、すばらしい出会いだったと思います。
それから、就職活動の面接の練習ができたことが役立ちました。同期同士で練習したり講師からアドバイスを受けたり、前は部屋で一人で練習していたのですが、それとは全然違いますね。

就職活動について

ー就職活動は、どのように進めましたか?
希望業種は自動車関連にしぼり、10社にエントリーシートを提出しました。インターンシップは2社、実際に面接を受けたのは7社で、インターンシップの2社を含めて4社から内定をいただきました。就職活動中に企業の人と会って話すうちに自分がやりたいことが見えてきて、自動車部品メーカーに行くことにしました。技術者として常に開発に関わることができ、国際的にも強い企業である点が決め手になりました。
ー就職活動で苦労したことは?
北海道の学生はみんな同じですが、首都圏まで遠いのが大変です。冬は天気が悪い日も多く飛行機が欠航することもありました。それから、面接で緊張して日本語がうまく出てこないことも何回かありました。ただし理系の場合は自分の研究を説明することが多いので、その内容のときは大丈夫でした。あとは就活期間が長く、勉強と両立するのがやっぱり大変です。

ー内定獲得のポイントは?
「努力」ですね。あきらめないで努力すること。私は去年の6月から余裕を持って準備を始め、特に企業研究に力を入れました。インターンシップでも疑問に思ったことは質問し、たとえば「完成メーカーと部品メーカーの違いは何か」といったことを技術者のかたに直接聞きました。これは面接でもよく出る質問で、現場のレアな意見を聞けたことはすごく参考になりました。そのほか、自分の目標を明確にしておくことも重要です。できるだけ細かく分析し整理しておくと、面接のときにも困らないと思います。

最後に

ー今後の目標を教えてください。
卒業前に海外に行きたいと思っていたのですが、ちょうど所属研究室が連携している企業から10月末にアメリカの掃除ロボットの見本市に行くチャンスをもらったので、世界の最新技術に触れて知識を深めたいと思います。社会に出て1年目は、とにかく早く仕事を覚えることを第一に頑張りたいです。
ー北大フロンティアプログラムの後輩へ、アドバイスをお願いします。
このプログラムは、自分の専門以外の知識を得られる絶好の機会なので、積極的に参加してほしいと思います。たとえば何かの技術を開発したら、海外で販売するにはどんな注意が必要かなど、これまでは考えていなかった分野が見えるようになりました。法律や経済、政治、自然環境と視野が大きく広がるので、就活だけでなく、その後の仕事にもきっと役立つと思います。ぜひ挑戦してください!
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